ルーン占いのやり方、その2

ルーン ルーン占い

こんにちは!横浜・白楽の占い師、八重森るなです。

今日は、前回書いた「ルーン占いのやり方」の2回目を書いてみようと思います。

 

とは言っても、普通にルーン占いをやっている分には前回のやり方で十分です。

基本は「ルーン占い=ルーン文字が書いてあるものを、引く」というやり方が全てです。

 

 

ただ、歴史的に考えるとそれだけでもないので、他の方法をご紹介しようと思います。

 

 

ルーン占いの歴史

 

ルーン占いとルーン文字

 

ルーン占いって、どういうものでしょう?

基本、ルーン文字は古代ゲルマン語におけるアルファベットです。

 

素敵に汚くてスミマセン。自筆です(^^;;

 

上記のルーン文字は、古代ゲルマン語に文字ができた頃、紀元2世紀ごろのアルファベットです。

これらの文字を使って、人々は文章を書いていました。

 

人々、と言っても、一部の知識層だけのものだったことは想像に難くありません。

 

この時代のルーン文字は「(ペンで)書く」というよりも「(ナイフで)彫る」文字でした。

だから、直線で構成されています。いちいち曲線を彫りつけるのは大変ですものね。

曲線が出てくるのは、ペンと紙で描くようになってからで、だいたいこの時代の文字は木片か石に掘りつけられていました。

 

で。

木片なんていうものは朽ちてなくなってしまうものです。

私たちが参考にできるのは、石碑や金属のアクセサリーなどに彫られた一部のルーンのみです。

だから、学者にもわかっていないことはたくさんあります。

 

石碑には何が書かれていたかというと、

「この素晴らしい建物を建てたのは、勇敢な○○の忠実な息子××である」

みたいな言葉。

えー、現代ならば、「○○公民館 市長×山△夫」みたいな石碑が公民館の脇に建てられていることがよくあると思いますが、あれに似ていると思います。要は、自分(や親族)の業績を誇示するためのものですね。

 

これらの石碑は、ルーン彫師という職業の人に彫ってもらっていたそうです。

専門職がいたんですね。

 

そんなルーンですが、面白いことにアルファベット(ルーンの場合は並び順の上からf,u,th,a,r,kをとって「フサルク」と言います。時代が下るとまた別の言い方になります)の1文字1文字に意味がついているんですね。

これには、文字を覚えるためにつけられたという説があります。

日本語で言うなら「あ、はありさんのあ」「い、はイノシシのい」みたいな感じですか。子供がひらがなやカタカナを覚えるときに使いますよね。

 

その意味を利用して占われるのが「ルーン占い」です。

日本語も、言葉に呪術的な意味合いを含めてお守りを作ったりお札に書いたりしますが、同じことが古代ゲルマンでもルーンによって行われていたのではないかと言われています。

 

知識層による政治、経済、呪術に使われていた文字、という認識で大体合っているのではないかと思われます。

 

 

古代ゲルマンのルーン占い

 

 

実は、ルーン占いを古代の時代にやっていたという証拠は、(古代ゲルマン人にとっての)外国人の記述しかないんですね。

紀元100年頃、古代ローマのタキトゥスという歴史家が書いた「ゲルマーニア」という、ゲルマンのことを調べた本があります。

そこには、このように書かれています。

 

第10章
果樹から切り採られた若枝を小片に切り、ある種の印をつけて、これを無作為に、偶然にまかせて、白い布の上にバラバラと撒き散らす。ついで、もしこれが公の占いである場合はその邦のひとりの司祭が、私に行なわれるときは家長自身が、神に祈り、天を仰いで、一つまた一つと取り上げること三たびにして、取り上げられたものを、あらかじめそこにつけられた印に従って解釈するのである。

 

この「ある種の印」が、ルーン文字だったのではないか?という推測がされています。

 

推測であるのは、先ほど申し上げた通り、木片なんてものは朽ちてなくなってしまうものなので、この当時使われていたかもしれない「若枝を小片に切」ったものなんて発見されていません。

 

そもそも我々が「これだ」と思ってやっているルーン占いは、20世紀に整備されたものだと考えられています。

ルーン文字は大体12世紀ごろには、キリスト教の布教に伴って「異教の文字」として排斥されていきます。

16世紀ごろにルネサンス運動が興り、キリスト教よりも前の文化に自分たちのルーツを求めました。そのときに北欧の人たちが「これが私たちのルーツだ」と思ったものの一つにルーン文字がありました。

さらに時代が下がって、20世紀になると、復興異教主義やオカルトブームの中でルーン占いが脚光を浴びることになった、ようです。

 

なので、古代ルーン占いというものが行われていたかというと「かもしれない」のレベルにとどまることになります。

夢がなくてごめんなさい。

 

ただし、言葉には言霊がこもるというのは、古今東西において信じられていることなので、ルーン占いに似たものは行われてきただろうなあ、という想像はつきます。

 

ちなみに、ルーンのおまじないならば行われてきたのではないかという割としっかりとした記述があります。

 

勝利を臨むならば、勝利のルーンを知らねばなりません

剣の柄 え の上か、血溝の上か、剣の峰に彫り、 二度チュールの名を唱えなさい。

信じる女に裏切られたくなければ、麦酒のルーンを知らねばなりません

角杯の上に、手の甲に彫りなさい。 

爪にニイドのルーンを記しなさい。 

 

これは「シグルドリーヴァの歌」という、北欧神話を記録したものの中に出てくる一節です。

オーディンに仕える戦乙女ワルキューレが、ルーンのおまじないについて語ったものとされています。

 

この中にあるもので、今わかっているものは「勝利のルーン」がティールであること、「ニイド」のルーンが存在することで、「麦酒のルーン」は何のことだかわかっていません。

 

 

古代ゲルマン風ルーン占いの方法

 

こんな話から、古代ゲルマンで行われていたんじゃないかなと思えるルーン占いの方法をご紹介します。

 

ルーンキャスティング

 

これは、文字の書かれている木片やカードなどを投げる方法です。

先ほどの「ゲルマーニア」に出てきた方法ですね。

ルーンストーンを投げるのはやめましょう。割れたり、誰かに当たって怪我をしたりするかもしれないので…。

 

これは私の方法で、決まったやり方があるわけではないのですが…

まず、大きな紙に、3つの同心円を書きます。

真ん中が現状。

二重目が結果。

三重目がアドバイス。

 

そして、真ん中からルーンをパラパラと落とします。

 

表になったルーンを読んでいきます。

円から外れたルーンと、裏返ったルーンは読みません。

 

例えば、真ん中にルーンが2枚、二重目にルーンが4枚、三重目に2枚、表になって現れたとしたら、それを読んでいくことになります。

 

ただし、このやり方は、広い場所が必要なので、あまり実用的ではないですね…。

公園などで儀式的にやってみるのは面白いかなと思います。同心円なんて地面に書けばいいだけなので。

 

他の占い師さんも色々な方法をやっていらっしゃいますので、ご興味があれば検索してみてください。

 

小枝を投げる方法

 

これは、大柴あまねさんのご著書にて勉強しました。

何も書かれていない小枝を投げて、その枝がルーンの形になっているところを見つけて読むという方法です。

例えばこんな感じ。

 

ルーン

 

無造作に投げた小枝ですが、よくみると文字が見えてきます。

 

ルーン

 

このようにして、占っていく方法です。

 

 

 ルーン占いは的確、だけど可能性がいっぱい

 

ルーン占いは、言葉を利用して行う占いで、ある意味では他に解釈しようがありません。

私は2〜3このルーンを引いて文脈で占うやり方をしているので多少は解釈の余地が生じますが、タロット占いやオラクルカードのようなふんわり感はありません。

 

でも、ルーン占いは「これ」というやり方が存在するわけでもありません。

書いてきた通り、昔からの占いとして確立されたやり方を書いてある書物はどこにもありませんし、20世紀に生まれたものとしてタロットの占い方を流用したりしながら使っている部分もあります。

 

だいたい、ルーン文字の「エオロー」と「ぺオース」は、正確な意味すらわかっていないのが現状です(正確な意味を示す文献や証拠が発見されていないので、推測がなされているに過ぎないようです)。

 

その自由さにも惹かれるものがあります。

皆さんも、不思議な歴史と文化に彩られたルーン占いを、ぜひ楽しんでください。

 

 

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