こんにちは!横浜・白楽のルーン占い師、八重森るなです。
週一回、エルダーフサルク(一番古い古代ゲルマンのアルファベットである)ルーン文字の意味を解説しています。
私の独断と偏見も混じってしまっているので、純粋な意味が知りたい方は教科書になる本をお読みになることをオススメします。(でも、それほど外れたことは言わない…つもり)
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ルーン文字「ニイド」の意味
読み方…ニイド
対応文字…N
意味…need、強制、欠乏(からの必要)、執着、忍耐
古代北欧におけるニイド
ニイドに関しては、明確に「魔術」としての使い方が載っている詩歌があります。
信じる女に裏切られたくなければ、麦酒のルーンを知らねばなりません 。
角杯の上に、手の甲に彫りなさい。
爪にニイドのルーンを記しなさい。 (シグルドリーヴァの歌)
これは、北欧神話が語られている詩歌を集めたものの中のひとつです。「古エッダ」という詩集の中に入っています。
北欧神話は神話ですので、信仰の対象でした。そのため、後から入ってきたキリスト教が国の宗教になっていくと、元からあった宗教は「異教」ということで排斥をされていきます。
しかし、その国に元々どういう宗教があったかということは重要なことですし、忘れ去られたら長い目で見たら損失です。
そのことに気づいていた人というのはいたんですね。13世紀くらいに、アイスランドの詩人スノッリが「これは詩のお手本として収集しているんですよ」という体で、国中から北欧神話の言い伝えを集めました。
そのスノッリの編纂よりも前に作られていた詩集に「古エッダ」というのがあって、見つかったのは17世紀らしいんですが、書かれたのは9世紀ごろから13世紀ごろだと言われています。
北欧でキリスト教化が始まったのが9世紀ごろからなので、やはり伝統が失われる危機を感じた人がその頃にもいたのでしょうか。
さて、冒頭の詩ですが、シグルズという男性にブリュンヒルデというワルキューレ(戦乙女)がルーンの魔術について教えるシーンです。
いやはや、この一節だけなのですが、なんか怖い(^^;;
麦酒のルーンとはなんのことだかはっきりしていないのですが、ニイドに関しては「愛する人を留め置きたかったら、爪に書きなさい」って…なんか呪い(のろい)じみてますよね…。
小学生の頃に「マイバースデイ」とか「ピチレモン」とかそういう子供向け雑誌に、手首に好きな人の名前を書いて絆創膏で隠すというおまじないがあったのでやりましたが、まんまですね…。
ニイドとneed
ニイドは、英語にすると「need」です。読み方的にはそのまんまですよね。
ちなみに英語「need」の意味は、
〈人が〉〈人・物などを〉必要とする
…が要る,〈行為などを〉する必要がある(小学館 プログレッシブ英和中辞典より)
だそうです。
これを念頭に置いておけば、ニイドの解釈は簡単です。
必要なんです。だから、執着する。だから、必要とする思いに強制される。無いから、必要と感じる。必要があるから我慢する。
これが愛の話だったら?
さっきの詩では、好きな人が離れていかないようにニイドをおまじないに使いました。好きな人がそばにいてくれる必要を感じるから、ニイドを使うんですね。
でも、求めてばかりの愛ってどうかと思いますよね…愛だったらば「ギューフ」の気持ちが必要ですよね。
♪そんなふうに求めてばかりじゃ タマシイも枯れちゃうわ♪(「散歩道」JUDY AND MARY)
くらいだったら良いんですが、求めすぎて、
♪ストーカーと呼ばないで あなたをつけただけ♪(「ストーカーと呼ばないで」オオタスセリ)
になっちゃったらまずいですよね…(^^;;;
自分の中で解釈の幅を広げる
以上のようなことから、ご自身の中で「なにがニイドに当たるだろう?」ということを考えて、欠損と必要について考えてみてください。
古代北欧から現代に至るまでの解釈例を書きましたが、どうでしょう、しっくりきましたか?
ここでお話ししたことが全てではありません。
占いには不正解はあるけど、正解はないと言われています。
全く関連のないことを結果として提示するのは「不正解」ですが、今お話ししたようなことから連想をしてあなたの解釈を作り上げてください。
正位置と逆位置
正位置と逆位置は、採用する人と採用しない人がいると思います。
私は、正位置に関しては上記のような解釈から連想の幅を作っていくやり方で読んでいます。
逆位置は、正位置の意味が「機能不全を起こしている(そのルーンが意味することが、なんか不具合があってうまく働いていない)」と捉えます。
正位置の意味例一覧
必要、欠損、強制、執着、忍耐、身動きが取れない
逆位置の意味例一覧
自分のせいで(本当はあるものだったりしても)不満を感じる・身動きが取れない
自己中心的
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